はじめに
側弯症というと子どもの成長期に見られるものと思われがちですが、大人になってからも進行する「大人の側弯症」が注目されています。特にデスクワーク中心の現代社会では、加齢変化や長時間の姿勢不良、ストレスによる筋緊張が重なり、後天的に悪化してしまうケースが増えています。
大人の側弯症の特徴
- 加齢による脊椎の変形:椎間板や椎体が変性し、側方に歪む。
- 仕事の影響:長時間のデスクワーク、偏った姿勢、同じ作業の繰り返し。
- ストレスと筋緊張:交感神経の過緊張による背部筋の硬直。
これらが組み合わさり、成長期の側弯症とは異なる「進行性の歪み」を大人に引き起こします。
幅広い専門性が必要
大人の側弯症は、単に骨格だけでなく、筋肉・神経・生活習慣が複雑に絡み合うため、多角的な視点からの治療が求められます。
- 整形外科:診断・画像検査・進行リスクの評価
- リハビリテーション科:運動療法・姿勢改善
- 手技療法(整体・カイロ・柔道整復):筋緊張緩和・可動域改善
- 理学療法士・作業療法士:日常生活動作の指導
- 心身両面のケア:ストレスマネジメント、呼吸法、リラクゼーション
治療・アプローチ
- 手技療法
- 背部や骨盤の筋肉のアンバランスを整える
- 可動域を改善し、姿勢保持をしやすくする
- 運動療法
- コアを安定させる体幹トレーニング
- 側弯を悪化させにくいストレッチ・セルフケア
- 日常生活の改善
- デスクワーク環境の調整(椅子・モニター・姿勢)
- 長時間同じ姿勢を避け、こまめな休憩・伸展運動
Q&A
Q1. 大人の側弯症は治りますか?
1. 完全にまっすぐに戻すのは難しいですが、進行を抑え、痛みや不快感を軽減することは可能です。
Q2. 手術が必要になることはありますか?
2. 重度で生活に支障がある場合は手術を検討しますが、多くは保存療法(運動・手技・生活改善)で対応できます。
Q3. 自分でできることは?
3. セルフストレッチ、体幹トレーニング、正しい姿勢を保つ工夫などが効果的です。
まとめ
「大人の側弯症」は、加齢・仕事・ストレスといった現代人特有の要素と深く関係しています。
放置すると進行してしまいますが、幅広い専門性の連携と日常的なセルフケアで、痛みや機能低下を防ぎ、健康な生活を維持することが可能です。