■ 大人の側弯症とは
側弯症は子どもや思春期に発症するケースが有名ですが、大人になってからも進行・悪化することがあります。
特に、加齢による筋力低下や姿勢のクセ、仕事や生活習慣に伴う身体の負担によって、脊柱に新たな“ゆがみ”が現れるのが 「大人の側弯症」 です。
■ 生活習慣・環境が与える影響
- デスクワーク中心の生活
- 長時間の同一姿勢
- モニターや書類を見る際の左右差
- 片方に偏るマウスや荷物の使用
これらは背骨に“ねじれ”や“片寄り”を蓄積させます。
- 運動不足
- 体幹の筋肉が弱まると背骨を支える力が低下
- 柔軟性の不足により、一度ゆがんだ姿勢が戻りにくくなる
- 加齢とストレス
- 加齢で椎間板や関節が変性し、左右差が大きくなる
- 精神的ストレスは筋緊張を高め、背骨のバランスを崩す原因に
- 生活環境
- 合わない椅子や寝具
- 作業台やキッチンの高さの不一致
- 片側ばかりでの家事・育児動作
日常の小さな環境要因が、背骨の曲がりを後押しするのです。
■ 幅広い専門性でのアプローチ
大人の側弯症は単なる「骨の問題」ではなく、多角的な視点が欠かせません。
その中でもカギになってくるのが筋肉のバランスです。
背骨は筋肉に支えられており、片側の筋肉が固まり、もう片側が弱くなると、背骨は引っ張られて歪んでしまいます。この悪循環は以下のように進みます。
- 姿勢や生活習慣で片側の筋肉に負担がかかる
- 一方の筋肉が硬直し、反対側が使われにくくなる
- 血流が悪化して筋肉が固まる
- 背骨が引っ張られ、さらに歪みが進行
この仕組みを理解すれば、「装具で押さえ込む」よりも「筋肉バランスを整える」ことこそが根本的な改善につながることがわかります。
■ Q&A
Q1. 姿勢に気をつければ治る?
- 治るというより「進行を防ぐ」ことが重要。日常の姿勢修正が大切です。
Q2. 運動は何をすればいい?
- 体幹を安定させる運動(呼吸法・軽い筋トレ・ストレッチ)が効果的。ただし無理な負荷は逆効果です。
Q3. どんな時に病院に行くべき?
- 肩や腰の高さが極端に違う、痛みやしびれが出る、進行が早いと感じる場合は早めに受診してください。
■ まとめ
大人の側弯症は 生活習慣・環境の影響 が大きく、放置すると進行リスクが高まります。
「正しい姿勢」「環境の工夫」「適度な運動」を日常に取り入れつつ、幅広い専門家と連携してケアすることが、改善と予防の鍵となります。